議会報告
  • 6月県議会質問と答弁

平成20年6月静岡県議会定例会

宮沢正美 一般質問とこれに対する答弁

1.東部地域における多極分担の地域作りについて

東部地域は広域合併への見通しが立っていない。少子高齢化や道州制を考えると,地域内の広域連携は急務と考える。
 県は本年2月の『多極分担型地域構造』についての提言を踏まえ、取組を推進する考えと伺っている。この提言の(1)圏域内で機能を相互に分担補完していく地域構造の形成(2)ボーダーレスな視点からの広域的な政策の推進の2点に注目し東部地域の目指すべき方向を示唆するものと受け止めた。地域間競争に対処し発展していく為には、合併の進展が無いからと、広域的な地域作りに遅れをきたしてはならず、多極分担型の視点に立ち、圏域内の市町村が連携し地域全体の魅力や利便性を磨き高める取組を進めることが重要と考える。
 東部地域における多極分担型地域構造の形成による広域的な地域作りについての県の所見を伺う。

1.東部地域における多極分担型の地域作りについて

答弁者 石川県知事

 東部地域は、活発な産業活動を反映して県民所得の水準が高く、また、富士山のような美しい自然景観によって、多くの交流人口を呼び込むことのできる豊かで恵まれた環境にありますが、この地域が将来に渡って持続的な発展を図る上で、都市的な魅力を持った自立性の高い広域的な都市圏域を形成できるかが重要な鍵になると考えます。
 このため、東部地域における各都市が個性を活かして街づくりを進めるとともに、それぞれの都市が昨日に応じて拠点としての役割を担いながら、連携して一体的な圏域を形成する多極分担型の地域構造を目指していく必要があると考えます。
 県では、等日地域の社会・経済活動の基盤の充実を図り、都市間連携による一体的な圏域形成に資するよう、交通ネットワークや高次都市機能の整備などに鋭意取り組んでおりますが、今後、広域的な地域作りを進展させる為には、共通意識に基づく地域自らの主体的な取組が不可欠であると考えます。
 こうした中で、今年3月に東部地域の経済界等の方々が多極分担型地域構造の形成に向けた提言を示されたことを契機に、民間レベルでの積極的な取組が見られておりますが、今後、官民の枠を越えて地域作りを進めていくことは大変重要でありますので、県といたしましても民間の意欲的な取組を推進するとともに、東部地域サミット等を通じ、市町村の共通意識の醸成を図り、幅広い方々の協働による広域的な地域作りを効果的に進めてまいりたいと考えております。
以下要約
 本件の地域のあり方を考慮するとき、次の2点で重要な時期にあると考える。まず、道州制への移行についてだが、現在の都道府県を再編成して、10位の同州に分け、本県は中部地域に帰属する議論がある中で、私はもっと地域の自立度を高め、追求すべきと考えてきた。平成の大合併を高貴とし、静岡、浜松の2つの政令市の誕生を実現させたが、都道府県の再編成の中でもさらに積極的・主体的に行動すべきと考える。3ないし4の政令市をと考えてきた中で、東部地域の動きが無かった。
 もう一つは、東部地域の独自性である。地理的にも東京からの影響を受けやすいが、歴史・文化・伝統に育まれた地域の独自性と魅力を磨き、自立性を持った地域として東部地域がまとまっていくのがベストと考える。これには、広域連携、都市連携といったことが挙げられる。昨年暮れ、東部6市6町の主長懇談の場を設け、意思疎通を蜜にし連携するという総意がまとまった。これから各論に向け具体的に詰めていきたいと考える。

2.食品確保と安全性について

(1)食糧自給率の向上対策

 平成18年度の我が国のカロリーベースの食糧自給率は39%にまで減少した。輸入に依存した日本人の食生活は、最近の国際価格の上昇により、深刻な影響を受けている。
県民に安心感を与え、生活の満足度を高めるためには、地域経済を支える農業、水産業が安定して食料を供給することが必要不可欠である。
 本県の食糧自給率は18%と全国の中でも低水準にあることから、食料自給率の向上に向けた取組みが必要と考えるが、県としてどのように現状を捉え、自給率の向上に取組むのか伺う。

(2)農産物の安全性の確保

 中国の冷凍餃子薬物汚染や流通事業者飲食店における産地偽装問題等食の安全を脅かす事件が続発し、社会問題となっている中で、消費者の食の安全性に対する不安は大きくなり、県が昨年実施した意識調査でも安全性や表示に対し信頼できると解凍した割合が前年度を下回った。
 平成15年に食品生成法が改正され、残留農薬等に関して、基準が個別に設定されていない農薬についても一律に0.01ppm以下とするポジティブリスト制度が導入され、生産者の意識も高くなりつつあるが、消費者の期待に応え、農産物の安全性を確保するため、県はどのように取組んでいるのか伺う。

2.東部地域における多極分担型の地域作りについて

答弁者 産業部長

(1)食糧自給率の向上対策

 本県の農業は、カロリーの低い野菜やみかんなどに加え、食料自給率に算入されない茶や花などが、農業算出額の約70%を占めており、カロリーベースの自給率に反映されにくい作目が主体となっている。
 食料自給率の向上については、生産と消費の両面にわたって、国が取組むべき課題と認識しているが、各都道府県において、地域の特色を活かした農林水産物の生産振興と消費拡大を図っていくことが、国全体の食料自給率向上に繋がるものと考える。
 県としては、生産面の取り組みとして、農林水産業新世紀ビジョンの基本方向の第一に、豊かな農林水産物の安定供給を掲げ、ビジネス経営体の育成や産地による農業構造改革の支援等を進めるここにより、温暖な気候と恵まれた立地条件を生かした、多彩で、安全安心な農林水産物の生産振興に努めている。
 消費面の取り組みとしては、農林水産業や職への理解を深める食育活動の推進や、県民参加による地産地消推進運動を展開している。
 今後もこうした生産振興と食料消費の両面にわたる取組により、食料自給率の向上に努めていく。

(2)農産物の安全性の確保

 消費者に安全安心な農産物を生産提供するため、県では生産者に対し、農薬の適正使用や生産環境の衛生管理を徹底するよう指導するとともに、消費者への生産情報の積極的な提供を働きかけている。農薬の適正使用を啓発するチラシの配布、農薬取り締まり職員の巡回、農薬の使用規準の遵守、防除器具の洗浄の徹底、使用履歴の正確な記録等を指導している。また、平成15年度から、農産物の生産履歴を迅速に追跡遡及できる「トレーサビリティシステム」の普及に取り組み、現在お茶や野菜など75の生産組織でシステムが導入されている。平成18年度からは、安全管理体制の維持向上を図るため、工程管理と情報提供の取り組みを県が認証する「しずおか農水産物認証制度」の普及に努めており、現在19件67の経営体が認証を取得している。県としても今後農薬の適正使用の徹底、「トレーサビリティシステム」「しずおか農水産物認証制度」の普及により、農産物の安全性の確保に努めていく。

3.中小企業の支援策について

 本件は企業誘致に関し、平成19年度に立地件数が全国一になるなどトップレベルにあるが、その一方で県内企業の99.8%を占める中小企業の振興も重要である。経営基盤が脆弱な中小企業が競争に勝ち抜いていく為には、融資や助成、人材確保と育成など、中小企業の抱える課題に的確に対応した総合的な施策を推進する必要があると思うが、今後の中小企業の振興にどのように取組むのか、県の所見を伺う。

3.中小企業の支援策について

答弁者 石川県知事

 人口減少社会の到来と高齢化の進行の中で、本県経済をより力強いものとしていくため、産業全体の競争力を強化することが求められている。県では、中小企業が直面する経営課題に的確に対応するために、しずおか産業創造機構や各地域の商工会、商工会議所などの産業支援機会と連携しながら様々な支援に努めている。例としては県制度融資の充実や下請け取引の適正化指導など、また個別企業では取組みが困難な技術開発や販路開拓などに対して、指導や情報提供、融資、助成など、多様な支援策を講じている。また、人材確保の面では、本年度は採用ノウハウを内容とする人材確保マニュアルを作成し,セミナーを開催するとともに、県の就職支援インターネットサイトである「しずおか就職情報」の充実や首都圏等の大学訪問を通じ、県内中小企業の魅力を積極的に情報発信することとしている。さらに、人材育成については、沼津、清水、浜松の各技術専門校において、訓練を実施するほか、機械設備や実習上を開放し、中小企業の自主的な教育訓練を支援している。この技術専門校で講習を受けた方の就職率は100%であり、中小企業からの機械や場所の提供もあるので、利用促進を図っていく。
 このような取り組みに加え、中小企業の経営革新や、農林漁業者との連携による地域資源を活用した新商品開発などの取組みについても積極的に支援をしている。
 今後も中小企業を取り巻く環境の変化を充分踏まえ、ニーズを的確に把握しながら、しずおか産業創造機構などの産業支援機関と連携し、総合的かつ機動的に施策を展開し、振興を図っていきたい。

4.障害ある方の工賃水準向上について

 障害のある方が自立した生活を送るためには、経済的な基盤の安定が必要である。県では本年3月に「障害のある人の工賃水準向上のための取組指針」を作成した。今後の工賃水準向上のための具体的施策を伺う。

4.障害ある方の工賃水準向上について

答弁者 厚生部長

 県では取り組み指針に基づき「福祉と産業界がもっと近づくこと」を基本とし、作業所で働く障害ある方々が、働くことに充実感や達成感を感じながら、地域で安定した生活ができるような工賃を得られるように取組を進めることとしている。これまでも、福祉側の取組として、静岡県作業所連合会・わ及び静岡文化芸術大学と県が協働して、新製品開発、共同受注や販路の拡大を行う「授産製品品質向上・販売促進プロジェクト」や経営コンサルタントの派遣による経営基盤の改善等を行ってきた。工賃を上げるためにはこうした作業所自らの努力に加え、企業の協力が必要である。
 そこで、本年度は企業の理解を深めるため、「作業所に対する企業の意識調査」を行い、企業向け講演会の開催や、作業所の仕事内容や生産能力をまとめた「事業所名鑑」及び企業とのタイアップについて事例を紹介するガイドブックの作成などを行っていく。
 さらに、一つの作業所に一つの企業を組み合わせる「フレンドシップ企業制度」の導入や、それぞれのニーズを結びつける仲介期間の創設等、新システムを整備して工賃水準向上を図り、傷害の有る方の自立を進めていきたい

5.食育の推進について

 静岡県では平成18年度に県食育推進計画を策定し、19年度から県民運動として食育の推進をスタートさせ、活動も活発化している。食育を進めるためには、市町が実情に応じて計画的に取組むことが重要であると考える。また効果的に推進するためには、子育て世代やこれから母親になる若い世代へのアプローチに鍵があると考える。
 どこで、県内市町における食育推進計画の策定状況や取組状況はどうか。また、子育て世代をはじめ、若い世代への食育の取組についてどのように考えているのか伺う。

5.食育の推進について

答弁者 厚生部長

 本県では「0歳から始まるしずおかの食育」を合言葉に食育を推進しており、静岡県食育推進計画において、県内市町村の食育推進計画の策定目標を平成22年度までに80%以上としている。県内の策定状況は平成19年度末現在、42市町中、11市町が策定済み、15市町が策定予定であり、今後さらに計画策定が進むよう、ガイドラインを示し、支援を行っていく。
 既に計画を策定した市町では、大型小売店舗との協働による啓発活動や、放課後児童クラブの小学生を対象にした食育教室など、地域に密着した様々な活動が展開されており、特に三島市では、食育指導者を派遣する「食育出前講座」や、地元大学との協働による園児・児童などを対象にした「食育元気教室」を実施するなど積極的に取組んでいる。
 食は生きる上での基本であり、心身の成長や人格の形成に大きな影響を及ぼすことから、子供だけでなく、これから新しい命をはぐくむ世代や、若い世代に対しての取組が重要であると考えている。県としても、若い世代が「食」の大切さを考える機会となるよう、市町村との連携による、母子手帳の交付や乳幼児相談・検診の場での食育の啓発、ボランティア団体や民間企業との協働による、イベント等を通じた食の体験などに、重点的に取組んでいく。

6.消防の広域化について

 消防の広域化には、消防本部の効率的運営、より広範囲な地域内連携の推進、消防力の強化などの優位性があるが、一方では防災計画や救急医療圏との整合性、災害対策本部長となる市町村長との関係、地域消防活動が脆弱化するのではないか、また、消防団との関わりが希薄になるのではないかなどの懸念が未だに地域や消防の現場から聞こえてくる。こうした懸念を解消する為にも、県としての消防の広域化についての考え方と、今後の取組について伺う。

6.消防の広域化について

答弁者 総務部長

 3月に策定した「静岡県消防救急広域化推進計画」に基づき、本年度から具体化を図ることとしている。
 県内の消防本部と通信指令業務を、27消防本部、22指令体制から、東部、中部、西部の3圏域で構成する3消防本部、3指令体制に集中化することで、そこから生み出された人員を消防署所に振り分け、増大する救急需要や広域災害などに対応できるよう、現場の消防力を高めることを目指している。
 また、3消防本部の下に、これまでの27消防本部を母体とする基幹的な消防署を設け、消防庁からこの機関消防署長に権限を大幅に委譲することにより、これまでと同様、地域に密着した消防署となり、地域での活動や消防団との関わりなどについても、何ら変化することなく、維持できるものと考えている。
 今後は、各圏域に協議会が設置され、運営形態、組織、経費などの諸課題について、市町村が中心となって検討が進められ、「広域消防救急運営計画」というものの策定に取組むこととなる。県としても、平成24年度末までに広域化が実現するよう支援していく。

7.確かな学力の育成について

 本年3月に告示された新学習指導要領への移行措置として、来年度から算数・数学及び理科の内容の一部などが先行実施されるため、県教育委員会には、迅速かつ的確な対応が求められる。
 そこで、県教育委員会は、学習指導要領改定に伴い、本県の児童生徒に「確かな学力」を身に付けさせるため、どのような方向性のもと、どのように重点化を図っていくのか、教育長の所見を伺う。

7.確かな学力の育成について

答弁者 教育長

 県教育委員会は、今回の学習指導要領に基づく「確かな学力」育成の方向性については、子供達の学習意欲の向上を図りながら、習得した知識・技能を様々な学習や生活の場で活用する力を育てていくことにあると考えている。そのためには、今まで以上に授業の質を高めていくことが不可欠であると考え、重点的な取組の一つとして、平成16年度に作成した「静岡県版カリキュラム」の改定及び新たに技能4教科の県版カリキュラムの作成を進めている。また、「教育は人なり」の言葉にもあるように、何よりも教員の力量アップが鍵となるので、これまでも、国語科における読解力指導や小学校理科における実験・観察指導など、教科指導力向上を目指した研修を行ってきた。今後も、子供達の思考力や表現力等を培うための、より具体的かつ実践的な授業力をつけていくため、教職員や学校のニーズに応じた研修の充実を図っていく。さらに、現在検討を進めている教育委員会事務局組織再編成の中で、教科に関する指導部門を県総合教育センターに集中化し、研究、研修及び学校訪問等による指導の三位一体を図り、教職員や学校への支援をより一層厚く行うことにより、子供達の「確かな学力」育成に努めていく。

Copyright (C) 2007 Masami miyasawa Supporters' association.All rights reserved